ファミリーコンピュータを愛す・その29
そして、ドラクエIIIと言えばパーティの自由度の高さから、クリア以降もレベルを1から育てられる楽しみもあった。なので、データが消えた事もあったにせよ、クリアしてからもしばらくはプレイし続けるほどゲーム寿命は長かった。そして、4月にはとうとうPCEを購入する事となり、そこからしばらくはPCE中心の生活となる。しかし、当然それも長続きせず、ファミコンに舞い戻ってきた訳だが、そこで起こっていたものが「野球ゲームブーム」である。
口火を切ったのがタイトーの「究極ハリキリスタジアム」であり、これは何故か当時の「ファミコン必勝本」がやけにプッシュしていた記憶がある。色々オリジナルの要素を詰め込んだ一見豪華なゲームであったものの、肝心の「野球」そのもののバランスが微妙であり、純粋な野球ゲームとしてはファミスタの域には及ばなかった。
お次はファミコン初のSLG野球ゲームとなった「ベストプレープロ野球」だ。自身が監督となって進めるのがメインなのだが、実際はデータを完全にいじくってペナントレースを見守る方がよっぽど楽しかった。私が当時一番ハマったのがこれだったのだが、初代はSKIPモードが付いておらず、どの試合も最低10分は見ないといけなかったので、130試合全てこなした事は当然ない。
3本目は、日テレ系列のVAPが発売した「スーパーリアルベースボール」である。ファミコンで初めて日本野球機構の許諾を取った完全実名のゲームであり、そして南海と阪急が登場する最初の最後のゲームでもあった。当時、大抵のゲームはメイン画面と守備画面が切り替わるのが嫌で、そうでない野球ゲームが欲しい、と思っていた矢先に登場したものだから、これも期待値は非常に高かったものだ。
しかし、リアルさを追求しすぎた結果あまりにも操作性が悪く、そしてペナントなどのモードも一切なかったため、一般的にはクソゲーの烙印を押される格好となってしまった。
そして、この夏の4大野球ゲームのトリを飾ったのは、「燃えろ!!プロ野球88決定版」である。前作の欠点がほぼ解消され、そして選手やボイスはさらにリアルとまさに決定版という感じではあったのだが、どうにも前作のインパクトが強すぎたせい、そして多くの人間を失望させたせいもあったか、その出来にも関わらず今なおほとんど語られる事のない代物となってしまった。
一応、シリーズとしては燃えプロが続いてはいくものの、成功したと言えたのはベストプレープロ野球ぐらいのものであっただろう。結局、アクション系野球ゲームとしてはファミスタの牙城を崩す事は出来ず、1994年のパワプロの発売までファミスタの天下が続いて行った。
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