ファミリーコンピュータを愛す・その17

1986年の年末商戦はファミスタ以外にもかなりの話題作がリリースされていった。個人的にはまずは「ドラえもん」である。のち、ファミコンにおけるドラえもんのゲームは、おそらくおもちゃの版権を持つエポック社からリリースされていったのであるが、このファミコン初のドラえもんはハドソンからリリースされた。当然、蜜月関係にあったコロコロコミックからの繋がりだとは思うのであるが、やはりドラえもん人気にあやかっただけあり、公称110万本を売り上げたそうである。

 

正直、ゲーム的にはめちゃくちゃ面白いという訳でもなかったと思うが、当時の私はそれなりにやりこんではいき、一応全面通してクリアは達成していた。そして、何と言っても話題となったのが、当時人気絶頂を誇っていたビートたけし作の「たけしの挑戦状」である。内容は今更語るまでもないが、当時はクリアなどおおよそ見当もつかなかったので、まともにプレイしてクリアしたのは完全攻略本の2冊目が発売されてからだったと思う。ただ、割と早くからパスワードが出回っていたので、エンディングだけなら誰でも見る事は出来た。

 

そして、この発売とほぼ同時期に、例のフライデー事件が発生、当然たけしはメディアから消える事となったのであるが、私の記憶が確かであれば逮捕後もしばらくCM自体は流れていたように思える。また、逮捕された瞬間に放送から消えるという事もなく、異様なまでに溜め取りをしていた「世界まるごとハウマッチ」などは数ヶ月間ぐらいたけしの収録分が放送されていたので、存在が抹殺されるような事もなかった。ただ、たけしの名を冠した番組などは、一旦その名が外されてしまったのは確かである。

 

そして他に印象深いゲームと言えば、DOGからリリースされた「ディープダンジョン・魔洞戦記」と、「水晶の龍」のふたつである。DOGというのは旧スクウェアが中心となって設立された「ディスク・オリジナル・グループ」の略であり、文字通りディスクシステムのソフトのみがリリースされていった。

 

前者は、初代ドラクエに続くファミコン2作目となるコマンド式RPGとして話題となった。そして、ファミコン初の3Dダンジョン形式RPGでもある。3Dダンジョン自体は「ポートピア連続殺人事件」の地下迷路が初のはずであるが、それをメインに据えたゲームはこれが初である。正直、ファミコンユーザーに3Dダンジョンは難しすぎると思うし、そもそもの3Dダンジョン自体が大して面白くもないものなので、それはどうかなと思う所なのであるが、コマンド式RPGの時点でドラクエのパクリと見らるのは確実な事なので、嫌でも差別化する必要があったのだろう。

 

そして、後者においては実は私は一度もプレイはした事がない。しかし、当時のファミコンユーザーには絶大な知名度を誇っていた。まあリアル世代ならご存知であるが、それはファミマガのウル技のおかげである。この技が掲載された号は実は読んでいないのであるが、反響が物凄かったようなので今でも語り継がれているほどである。

 

 

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