ファミリーコンピュータを愛す・その28

ドラクエIIIに関しては今更改めて語るまでもないほどであるが、リアルタイムで体験した私の当時の感想としては、まず難易度がかなり下がったな、という事である。前作は時間がなく、通しプレイが出来なかったという事、そしてラゴスやロンダルキアの洞窟のように、割と陰険な謎解きが多かった事などから、多くのプレイヤーを苦しめてきたものだったが、その反省からかIIIは大分優しくなっているな、という事をまず実感した。

 

個人的に詰まってしまったと言えば、さいごのかぎを入手する浅瀬の祠ぐらいであっただろうか。例によって離れ小島系のイベントであり、当然ゲーム中にも世界地図など存在しないため、ここを見つけるのに1週間ぐらいは要したかと思う。それ以外に謎解きで苦労した部分はないが、それでも1ヶ月弱ほどクリアするまでに要し、最終的には勇者のレベルが45になった時にようやくゾーマを倒す事が出来た。

 

45であればクリアなど容易なレベルであるのだが、当時は防御攻撃もまだ知られておらず、防具の呪文耐性なども知る由もなく、そして当然ゾーマにベホマや薬草が効く事も分かる訳もなかったため、まあ当時の子供のレベルとしたらそんなものである。ただ、前作は1ヶ月以上は要してしまった事もあって、サントラ購入時にゲームより先にシドーとエンディングの曲を聴くこととなってしまったが、IIIはサントラ発売日のギリギリ前に買う事が出来た。

 

そして、ドラクエIIIにはクリア後の楽しみとして、アイテム探しもあった。ドラクエIIにおいても、敵のドロップのみでしか入手できない「ふしぎなぼうし」や、「はかいのつるぎ」なども存在したが、このドラクエIIIにも同様のアイテムが存在し、しかもその確率は決して高いものではなかった。この辺りは「ウィザードリィ」の影響が色濃く反映されていると思うのだが、とにかく自分は「しあわせのくつ」探しに躍起になったものである。

 

これは「はぐれメタル」のみから入手出来るのであるが、ドラクエの法則として最後に倒した敵のアイテムのみしか入手出来ない、というのがあるので、当時の常套であった「敵モンスターを混乱させてはぐれメタルを倒してもらう」というのが通用しないので、入手するのは容易ではなかった。他には「らいじんのけん」や、「さざなみのつえ」などのレアアイテムが存在したが、結局今の今まで一度も入手する事は出来なかった。

 

そして、前作とは異なりレベルを99まで上げることが出来た。当然飽きるまでそこを目指していくのであるが、まあご存知のようにドラクエIIIのバックアップは非常に弱く、結局78まで上げた時点でデータが全て消えてしまった。ノートさえ残っていれば半永久的に再開出来る前作までとは異なり、消えたらどうにもならないバックアップは絶望感が物凄かったものである。その後も何度かプレイして行ったが、その度に消えてしまったのは言うまでもない。しかし、おそらくニューファミコンが発売された当時ぐらいのデータはドラクエIV共々残っており、そしてレトロフリークに保存する事も出来たので、もう半永久的に消える事はないだろう。