働く事と資本主義の虚しさ

私たちは、いったいナゼ働いているんだろう?

そりゃあ生活のため、金のためだ。そう割り切ってるうちはいい。

でも、仕事にやりがいを求めてしまう人は、これからの時代、大層キツイと思う。

だって働くことは虚しいから。いや、生きる事そのものが虚しいとさえ言える。

夢を見る人は減って、みんな現実を見ちゃってるからね。どんなに働いたって、私たちの多くは結局のところ単なる労働者であり、誰かが作った会社を儲けさせるだけだもの。

 

そもそも資本主義というシステム自体が虚しい。

無理矢理「必要」を作り出し、需要を煽り、たいして価値のない物を売ることでこの世は回っているんだなって思う。社会人になってつくづくそう実感した。

 

なんで日本にはこんなに飲食店が多いのだろう。少々減ったって別に私は困らない。

コンビニも多すぎる。私の近所には、コンビニのすぐ隣にコンビニがある。実にバカバカしい。都心からコンビニが3割減っても、生活に問題ないだろう。そうしたら節電にもなるしフードロスも減るのに。

 

アパレルにしてもそう。なぜあんなに多くの種類の服が必要なのだろう?

冬が来る前から「今年の冬の流行はこれ!」なんてバカバカしい。

 

「必要」が生まれてから物やサービスを売り始める、だけでは不十分。

先に「必要」を用意する。そうなるように仕向ける。欲を刺激する。購買意欲を煽る。

供給のためにわざわざ需要を作りだす。順番が逆だが、そうでもしなきゃ売れない。

 

娯楽も無駄に多すぎる。PS5とPS4にいったいどれくらい違いがあるのだろう?

私たちは次から次へと進化するアイテムを追い続けねばならない(と無意識に思っている)

一度良い物を手に入れてしまったら、もう元には戻れない。いまさら生活の質は落とせない。PS5に慣れたら、PS2の画面など荒すぎて見ていられないだろう。子供の頃はあれほどPS2で遊んでいたのに。それでいて何の不満も感じなかったのに。もしPS10を持っている未来人がPS5で遊んだら、満足できないだろうね。果たして豊かさとは何だろうか?

 

スマホにしても同じ。毎年新作が出されるが、果たしてそんな必要があるのだろうか?

画質が綺麗だの、なんだかよくわからない機能が付いただの広告が煽るが、それがそんなに大事な事か?iPhone5で十分ではないのか?・・・と思うのだが、私も最新の物を買ってしまったら、古い物では満足しなくなるだろうな。本来なら既存の物で十分だったはずなのに。欲が無ければ欠乏を感じる事も無いのに。こうして我々は日々、欲を刺激され、それを満たすために買い物をする。買うためには金が必要だから、たいして要らない物を作って売って金を稼ぐ。消費と労働のサイクルを延々と繰り返す。クルクル回ってるハツカネズミみたいだ。回り続けることに疑問を持っても良さそうなものなのにね。人間なのだから。

 

一番ひどいのは家電だ。もうこれ以上進化のしようがないのに、毎年新作が出ている。

炊飯器が喋るだの、電子レンジが健康を考えてメニューを提案してくれるだの、全く必要ない。掃除機はゴミを吸えればそれで良い。

 

ではなぜ、企業は毎年新作を出さなければならないのか?言うまでもなく企業が生き残るためである。企画室、営業マン、事務職、広報、請負工場で部品を作るアルバイト、それを運ぶ運送業者・・・などなど多くの労働者が一つの商品に関わっているから、物を造る事を辞めるわけにいかないのだ。彼らの雇用を守るために、次々に新作を開発し、無理やりにでも売っていかなければならない。

 

資本主義というシステムを維持するために我々は生きているのか?商品を開発し、それを売買し、日々汗水垂らして働くのは、システム維持のため?つまり単なる歯車だ。だがどんなに虚しくたって、誰もこのシステムからは逃れられない(山の奥で自給自足でもすれば別だが)

 

こうして考えてみると、ほとんどの企業が虚業で儲けているだけだと分かる。ブルシットジョブと言うらしい(笑)生きるために本当に必要な仕事なんて限られる。しかし、多くの人が最低限の生活で良しとしてしまったら、経済は成り立たない。だから無理やり「欲しい」と思わせているだけなのだ。欲が無いと言われる若者ですらスマホのガチャに夢中なのはそういう事なのだ。

 

あぁなんて虚しいんだろう。でもこの虚しさに気付けて良かった。仕事が生きがいですなんて思わなくて良かった。どう頑張ったって、結局は大して世の中の役には立っていないのだから、気楽に行けば良いと思うのですよ。

 

まぁ社会主義が良いとは思わないし、他に良いシステムもなさそうだけどね。

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