ファミリーコンピュータを愛す・その37
すっかり語るのを忘れてしまっていたが、ファミコン探偵倶楽部IIをプレイする少し前ぐらいの事、当時ようやく週刊少年ジャンプを読み始めた事もあって、「ファミコンジャンプー英雄列伝ー」を購入した。当時としては珍しく近所のお店で2980円で売られており、これはお買い得だなと思いつつ喜んでいたのだが、それも束の間であったことは想像に難くない。
まあ内容は今更語るまでもないクソゲーであり、褒められる部分はほぼ何一つないと言って良い凡庸なゲームである。まあ、それでも当時は今のように積みゲーなど考えられないため、自力でラストまで行ったのであるが、それでもクソゲーである事は間違いない。ただ、苦労して辿り着いた最終決戦場だけは良く出来ており、正直これをプレイするためだけにこのつまらないゲームを耐えに耐えてきたと言ってよかった。
内容はYouTubeなどを見ていただけるとして、他に特筆するべき点は、おそらくゲームソフトとしては史上初めて本屋で発売されたという事である。これは近所の書店のカウンター前に平積みされていた事を良く覚えている。ただ、もちろん定価であったため、本屋で買うことのメリットは皆無であったのだが、いかんせん当時はジャンプの黄金時代であり、少年たちに与えた影響は尋常ではなかたっため、間違って買ってしまった人もいたかも知れない。
そして話は再び1990年の3月頃に戻る。ドラクエIVもひと段落し、ゲームボーイ版の「ネメシス」に感動した私は、次第にグラディウスシリーズなどにも興味を抱いていくのだが、当時はまだRPG中心だった。そんな時、FFIIIが発表された事もあって、それまで全く手を出した事がなかったFFにも興味を抱き始めた。当時、クラスメイトに一人だけFFIIを持っている人が居たので、しばらく貸してもらってプレイさせてもらった。
今でこそ世界的なFFであるが、当時はまだドラクエとの差は圧倒的に開いていた。ドラクエはプレイしても、FFはやらない、という人はまだまだ多かったのだ。それはもう販売数を見ても分かる通りなのであるが、まあ食わず嫌いはいけない、とでも思ったのだろう。という訳でFFIIをプレイして行ったのであるが、ご存知のようにIIは色々と特殊なゲームである。まあ何と言ってもレベルの概念がないのが最大の特徴なのだが、当時すでにパーティアタックやABキャンセル技などは知れ渡っていたため、成長に関しては苦労はしなかった。
しかし、回避率の重要性などはまだ知られていなかったため、そのためにただでさえ意地悪なFFIIの難易度がさらに跳ね上がってしまったと思う。特にミシディアの塔には大変苦労させられた思い出がある。しかも、全滅したらそれまでのセーブデータが無となってしまい、費やした時間が全て無駄になるという虚しさと言ったらなかった。
ストーリー的にもいきなり味方が全滅しかもひとり行方不明、全体的に暗い音楽などの要素も重なり、これはのちに毛利名人も触れていたが、プレイしていて面白くないのだ。ファミマガのゲーム通信簿は異様なまでに高評価だったので、かなり期待はしていただけに、失望も大きかった。まあ、低年齢層中心のファミマガ読者の評価などはあてにしては行けないのかも知れないが、正直当時抱いた感想は正直そんなものだった。
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