DTMの始めかた

 

DTMを始めようと思ったきっかけって何だったんだろう。

パソコンを使っての音楽は初めてだったので、始める前にはいろいろ不安がありました。お金もいろいろかかるし、そのお金をかけて買った機材同士の相性が合わなかったらどうしようとか考えていて、興味はあったもののなかなか始められないでいました。インターネットで調べたり、楽器屋さんで関連書を立ち読みしたり、店員さんに話を聞いたり。いろんな情報を集めながら一歩一歩進んできておよそ2年がたちました。とりあえずここまでの道のりを記しておきたいなと思ったのと、これから始めようと思っている方の参考になればと思いました。主に必要な道具の話になるかと思いますがよかったら読んでください。

 

 

とりあえず始めるにあたっての動機というものがありました。学生時代にバンドをやっていたこともあり音楽はずっと好きでしたが、学生の終了とともにバンドも終了し、自分で奏でる音楽というものには疎遠になっていました。YouTubeやiTunes Storeの試聴を繰り返しているうちに、打ち込みの音楽、いわゆる4つ打ち音楽にハマりました。そこで自分でもできないものかといろいろ情報を集め始めたわけです。

 

 

最低限こんなことをしたいなという目標ができてそれに向けての道具選びを始めたわけです。そしてその実現へのテーマとして、いかに初期投資を抑え、そこそこなものを作っていけるか。

 

 

まずは一番大事なものとして、パソコンです。僕はその時すでに運良くMacBook Proを持っていました。と言ってもDTMを始めようとした時が2019年夏でしたがそのMacBook Proは2011年後半のモデル。macOSのアップデートもHigh Sierraでストップしています。だいぶレトロなマシンですが、そんなパソコンでも結果として始められました。メモリが4GBしかなかったので裏蓋を開けメモリ追加して8GBにしました。ネットで調べた段階で最低限8GBはないと厳しいとのことだったので、Amazonで対応するメモリを購入して増設に成功しました。ストレージはHDDが500GBあったので初心者には十分でしたね。でもこれが最低限のスペック。これ以下だと厳しいそうです。打ち込んだものを再生した時にプツプツと再生が止まります。

 

次に必要なのがDAW(打ち込み・録音ソフト)です。いろんな国のソフトメーカーがいろんなソフトをリリースしていますが、僕はCubaseというソフトを選びました。とまぁこんな風に次は何が必要かをひとつずつ足していきました。今まで揃えた機材やソフトとその購入理由を以下に書き出します。僕がDTMを始めるにあたっての欲しかった情報のひとつです。必要なものリスト。

 

●パソコン(僕はMacBook Pro13inchを持っていたのでそれを使用)

●DAWソフト(Cubase Elementsを購入。ユーザーが多いから。使用方法がわからない時やトラブル発生時にネットで答えが見つかるチャンスが多い。CubaseはMacにもWindowsにも対応していたから。パソコンが古かったため、買い替え時にどちらのOSにも行けるよう選択肢を多く持っていたかったというのも理由のひとつ。島村楽器でパッケージ版を購入)

●MIDIキーボード(弾きながらリアルタイム録音するため。KORGMicroKey25という25鍵のものをAmazonで購入したが、そのごすぐに37鍵のiRigKeysをメルカリで購入しなおし。なぜか。37鍵あると左手のルート音がギリ押さえられるから。このiRigKeys37もよかったのですが、ミニ鍵盤のため弾きづらかったため、後にiRigKeysPro37をメルカリで追加購入。)

●ATH-M50x(オーディオテクニカのヘッドホン。パソコンに直挿しで使用。教則本などではヘッドホンは基本オーディオインターフェイスに挿すと教示していますが、この時は直挿しでモニターしていました。同じく教則本ではモニタスピーカーを用意しよう教示していますが、それもまた高価なので後回しにするためにヘッドホンで対応。島村楽器で購入。島村楽器には有名どころのモニター用ヘッドホンがいくつか展示してあり、視聴してから購入できました。普通のモニターヘッドホンよりも低音の出方が強いのと、高音の抜けの良さでこちらにしました。)

 

とりあえずここまでの物があればDTMは始められます!

実際にここまでで何曲か打ち込んでみました。今作っているものと比べるとかなり幼稚なもの…。でもその当時は最高傑作でした…。

 

さて、話をもどして、次はあると便利なもの。どんどん増えていきます。ただ“できる”だけじゃなくて楽曲の味付け、盛り付け、作業の効率が良くなるものが欲しくなってくるわけです。ここからがまぁお金がかかってくる感じですね。

●KOMPLETE(シンセ音源。KOMPLETEの中のMassiveというシンセが欲しくて購入。音源数によりいろんなグレードがありましたが、Massiveが入っている一番安いグレードのSelectをビックカメラで購入。ファミコンみたいな音が作れます。)

●AT2050マイク(オーディオテクニカのコンデンサーマイク。作った音楽に歌を入れてみたくなって購入。メルカリで。)

●UR22C(オーディオインターフェイス。コンデンサーマイクをパソコンに繋ぐ音の入口になるデバイス。購入当時は大変人気で品薄状態。島村楽器で注文して4ヶ月待ちで新品購入。ヘッドホンを購入した時には購入を後回しにしましたが結局ここで購入。)

●MX Master3(ロジクールのワイヤレスマウス。MIDIキーボードで打ち込むことに苦手を感じたので、譜面に音を置いていくスタイルに変更した際に購入。このマウスにした理由は横スクロール機能があること。DTMでは譜面の左右の行ったり来たりという動作が多いのでこれは大変重宝な機能。この機能がついたマウスは少ないのでほぼコレ一択。YAMADAで購入。)

●Synthesizer V Studio PRO(歌声合成ソフト。いわゆるボーカロイドソフト。コンデンサーマイクを使い歌を自分で入れていましたが、歌はやはり上手ではないのでボカロに頼ることに。雑誌で紹介されていて知りました。Amazonでパッケージ版を購入。)

●小春六花(Synthesizer V専用歌声データベース。Synthesizer Vで作った歌メロ、入力した歌詞をこのデータベースの歌声で歌わせるという感じ。なのでSynthesizer Vと歌声データベースはセットで準備することになります。ただSynthesizer V Studio PROを購入すると無料版“Lite”がダウンロードできるので最初はそれでもいいかもしれません。ちなみに僕が購入したのはAI搭載のもの。入力するだけで人が歌ったかのような仕上がりにほぼなります。細かい調声いらず。小春六花の他にもいろんな声のデータベースがあります。YouTube上でいろんな歌声が紹介されていますのでお好みの声を探してみてください。専用サイトからダウンロード購入)

●Ozone(マスタリングソフト。曲が完成したあと楽曲ファイルとして書き出す際に様々な音量調整やエフェクト調整をしますが、僕はそれが苦手だということに気づきました。その調整を自動でやってくれるのがこのソフト。AIが搭載されているので音量や必要なエフェクトを自動で選んで調整してくれます。調整済みのデータをさらに自分好みに手動で調整することも可能。専用サイトからダウンロード購入。)

 

 

機材やソフトを購入したのは大体こんなところです。初心者なのでこれで十分ですね。いかに安く始めるか、です。

 

その後、いくつかアップデートしたものがあります。

●Cubase。最初に購入したのは入門版のElementsでした。1.2万円くらいで購入しました。Cubaseは購入できるものの中では3種類あって下からElements、Artist、Proとなっています。また販売はしていなくてYAMAHA商品やSteinberg商品を買うと付属してくるAIもあります。だから僕が購入したオーディオインターフェイスのUR22Cにも実は付属していたんです。でも前述の通り4ヶ月待ちでなかなか納品されなかったので、有料版の再開モデルを購入したというわけです。Cubaseは時々、ソフト自体のセールや下位グレードから上位グレードへのアップグレードのセールをやっています。そこを狙ってアップグレードして一気にProにしました。これはかなり調子に乗っちゃいましたが、その後の制作に調子がいいです。セール時期じゃない時にドンとProを購入すると6万円を超えます。アップグレードは3.5万円だったのでElementsの購入と合わせて4.7万円でProを購入したことになります。ちなみにOzoneもセール時に購入。

●MacBook Air。2011年モデルのProをずっと使ってきましたが、トラック数を増やした曲を作ると、遅延や音切れが発生してくるようになりました。マック自体のOSアップデートにももう対応していけなくなっていたので、思い切ってMacBookを新調しました。購入したのは2020年M1チップモデルです。この購入においては金額的に思い切ったというのと、あとはソフトの対応状況的にも思い切った部分がありました。僕の制作環境の心臓部であるCubaseがまだM1チップに正式対応していないという時期だったから。その辺はだいぶネットで調べましたね。CubaseはIntel向けソフトだったわけですが、Intel向けソフトをM1チップで動作させる場合にはRsettaというMac内の機能を介する必要があり、その互換性がまだ確実じゃないという世間の声がたくさんあったからMacBookの買い替えには慎重でした。でも思い切って購入。結果として全く問題なくCubaseもその他のソフトも動きました。

今回購入のMacBook AirはM1チップ、メモリ16GB、ストレージSSD256GBです。ストレージは少々少なめですがメモリが倍になりかなり快適な動作を手に入れることができしました。カクカク動いていた作業画面もサクサクヌルヌル動いています。音切れもなく最新のDTM環境を手に入れた気分です。今回ProではなくAirにしたわけですが、特に理由はありません。僕くらいの初心者だとメモリとストレージが必要量あれば他には特にはこだわりがなかったので、薄くて軽いAirにしたというわけです。

そもそもMacBook、今回は軽いAirにした理由として、自宅の中でも場所を選ばずに制作していきたかったからです。“ここじゃなきゃダメ”っていう感覚にとらわれたくなかったんですね。気分ていろんな所に作用してきます。気分が変われば場所も変えて、そうすると作っているものの仕上がりも変わってくるのかなって思ってるんです。モバイル的な道具の揃え方をしているので、例えば機材を持ち出してカフェで作業したり、公園の芝生の上でだって作業できます。その時その時のインスピレーションに期待したいなと思って毎回場所を変えています。

 

 

というところまでで手に入れた話をしてきましたが、手に入れたものの使わなくなったものもいくつかあります。

 

AT2050のコンデンサーマイク。最近の歌ものの音楽作りはボカロソフトの小春六花でやってしまっているので、自分で歌わなくなった今は使っていません。

●UR22Cのオーディオインターフェイス。コンデンサーマイクと同じ理由です。

 

 

DTM開始当初に最終的にどんな方向に向かっていきたいかを決めて、その都度必要になってきたものを買い足してきた感じですが、やりたいことの方向性も変わってきたりしてこういうことになるんですね。

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