ファミリーコンピュータを愛す・その31
この時期はまだ週刊少年ジャンプは読んではいなかったので、ドラクエIVの情報はある一人のクラスメイトからであり、わざわざ袋とじを破いて持ってきてくれたほどである。もちろんまだまだ未完成であり、おそらくこの時点では勇者以外の7人の名前も発表すらされていなかったはずである。覚えている事と言えば、4MビットROMを使用し、ドアドアからこれまでのエニックスのソフトが全部入る、というのが大きな売りとされていた。
まあドラクエIまでの容量などは微々たるものなので、それは当たり前と言えば当たり前な事なのであるが、とりあえずはそのスケールの大きさを知らしめたかったのだろう。そして、自分的には嬉しさや驚きよりも、「やっぱりまた出るのか」という気持ちの方が強かった。まあ、今思えば当時はまだドラクエ以外のゲームがなかったエニックスのこと、会社を存続させていくためには当たり前の事なのであるが、毎回毎回ドラクエというのには若干うんざりもしたものだった。
それからしばらくの事、私もようやくジャンプを読み始めるようになったので、ドラクエIVの最新情報をそちらから得る事が出来るようになった。そして、ミニ四駆にも一段落し、4月のゲームボーイの発売などもあって再びファミコンへと回帰していったのもこの頃である。そんな頃にプレイして行ったゲームのひとつと言えば、「ファミコン探偵倶楽部II 〜うしろに立つ少女〜」だ。
この頃は特に大作的なゲームもなかったため、書き換えで案外軽い気持ちでプレイして行ったのだと思うが、これがあまりにも面白く、そして怖く、のめり込んでいったものである。後編までの発売まで1ヶ月ほどあり、さらにそこから書き換え開始までにも時間があったのであるが、そこまで待ちきれずに海老名のダイクマまで新品を買いに行ったほどである。
なぜダイクマなのか、それはつまり近所の店ではほぼディスクカードの取り扱いがなかった事に尽きる。鳴り物入りで登場したディスクシステムであったが、その最盛期は1年目でほぼ終わり、ROMの大容量化とバックアップの登場によりその存在意義は薄くなる一方だったのだ。そして1989年ともなれば、その市場はほぼ終わりかけていたので、新品を扱う店自体少なくなって行ったのである。
そして、この頃になってようやく私も「ファミコン通信」を読みはじめた。確かゴールデンウィークの合併号であったと思うが、任天堂ハード以外も多く扱っていた事、クロスレビューが参考になった事、そしてゲーム以外の記事も充実していた事などから、一気にファミ通の虜になっていったものである。また、のちの編集長である浜村氏をはじめ、ディープなプロレスファンが数人いた事から、ゲームはもちろんそれに関する記事なども結構熱かったのも個人的には大きかった。
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