テレビゲーム総選挙・その1

昨年末にテレビ朝日にて放映された「テレビゲーム総選挙」、私もリアルタイムで視聴する事が出来、最初は流しで見ているつもりがそのままぶっ通しで最後まで見入ってしまった。多くの方が指摘しているように、少なくとも家庭用という括りがある以上、万人が納得するランキングなどは不可能だと思っている。理由は簡単、全員が全てのゲームをプレイしている訳ではない以上、公平な評価は不可能だからだ。

 

例えば、私が最も長時間プレイしたゲームは、記録にある限りでは「レイディアントシルバーガン」であるのだが、実質売り上げは3万本程度と言われているため、当然ミリオンセラーを記録したRPGと比べたらプレイ人数は微々たるものだ。もちろん、ゲーム内容自体は20世紀最高のゲームのひとつと言っていいぐらい素晴らしい出来なのであるが、いかんせんこの販売数ではプレイ分母などたかが知れているため、どう考えても上位に来る事はない。まあ、それ以前にプレイする人を選びすぎる、というのもあるのだが、やはり売れたゲームの方が有利なのは当然である。

 

そして、世代間の問題だ。ゲームは止める人も当然いるため、世代によって支持するゲームが大幅に異なるのも特徴だ。まあ、最近の人であれば後追いでレトロゲームをプレイする機会もあるかも知れないが、それでもさすがに新作の方が有利だろう。ただ、それでも30代以降の投票率でレトロゲームはカバー出来ていた感もあったため、極端に新作のみで埋まる事もなく、割とバランスは取れていたのではないかと思う。

 

他に気になった点としては、まず格ゲーで唯一ランクインした「ストリートファイターII」が91位とは低すぎる、という意見が目についた。これに関しては、まず「家庭用」という縛りが大きかったためと思われる。リアル世代ならご存知のよう、「ストリートファイターII」が爆発的ブームを巻き起こしたのはもちろんアーケード版の話である。その相乗効果により、SFC版も290万本という破格のセールスを記録したのも間違いはないが、やはりストIIと言えば家庭用ではなくあくまでアーケードの話であり、家庭用としてランクインさせるか?となると疑問符がついてしまう。

 

もし、アーケードのみという括りであれば、少なくとも2000年代初頭までなら確実に1位、今やっても上位に来る事は間違いないだろう。また、かつてザ・ベストゲーム2でベスト30ランキングを発表した時には格ゲーで埋め尽くされたよう、やはりアーケードのみであれば格ゲーが強いのも確かである。他のバーチャや鉄拳、餓狼やKOFなども全てアーケードからであるし、まあこれは家庭用という括りがある以上当然とも言える。

 

そういう中で62位に入ったゼビウスは大健闘と言うしかない。当然、これもアーケード版がオリジナルであり、思い入れのある人たちはほとんどがアーケード版をやり込んだ人たちだろう。なので、家庭用という枠の中だと若干違和感がなくもないのだが、ゼビウスを抜きにしてビデオゲーム史は語る事が出来ないほどの大金字塔であるため、枠にとらわれずどうしてもゼビウスは入れておきたい、というのが働いたのではないかと思う。

 

また、一応続編的なものはあるにせよ、「2」を冠したゲームはひとつもなく、あくまでゼビウスは一代限り、というものもあるため、グラディウスシリーズのようにシリーズでファンが分散しなかった、というのも有利だったのかも知れない。そのグラディウスシリーズはひとつも入ってなかったが、こちらも家庭用で売れたとは言ってもやはり当時の衝撃と出来ではアーケードに及ぶべくもなかったため、やはり家庭用という枠の中では入らないのもやむを得なかったのかも知れない。