都市計画法はシムシティ 1

皆さんは、「シムシティ」というゲームをプレイした事ありますでしょうか?

このゲームはウィル・ライト氏が作ったアメリカ製のゲームで、プレイヤーが市長となって町を作っていくというもの。

元々パソコンのゲームで日本でもイマジニア等が発売していましたが、スーパーファミコン版も登場。スーパーファミコン版は任天堂が発売したのですけど、任天堂は「玩具」を知っている会社です。初めてプレイする人にも取っつきやすく、親しみやすくするために様々なアレンジがなされていました。大気汚染が酷くなると現れる「怪獣」がスーパーマリオブラザーズでお馴染みの「クッパ」だったり、シナリオモードを全てクリアすると現れる「フリー計画」は、マップの中心にマリオの顔を象った森があるという遊び心も。

 

私がプレイしたのはスーパーファミコン版です。真面目にプレイするのであれば、住宅地、商業地、工業地をマップ上にバランス良く配置するでしょう。当然工業地、空港、港といった公害の発生するものは住宅地から離れたところに配置する事になります。

自分が作ってみた町と、自分がお住まいの市町村の都市計画図と比較してみると、やはり似たような感じになっているのではないでしょうか。

 

宅建や建築士の試験を受けられる方であれば、都市計画法と建築基準法の話題は間違いなく出てくるわけですけど、私が試験を受けた時に真っ先に浮かんだのはシムシティでした。もしプレイした事がないのであれば、一度プレイしてみる事をお勧めします。かなりイメージしやすくなると思います。

そこから「用途地域」という話が出てくるわけです。

 

尚、宗教施設、公衆浴場、診療所、保育所は用途地域に関係なく建てられます。


[住居系]
シムシティであれば、住宅地にあたるのが「住居系」用途地域です。

・第一種低層住居専用地域
低層住宅の良好な住環境を守るための地域。建ぺい率、容積率の制限もそうですけど、おそらく最も制限の厳しい用途地域と言えるのではないでしょうか。この地域は本当に「住宅地」で2階建て以下の住宅やアパートぐらいしかなく、コンビニすらも建てられません。事務所や店舗を兼用する住宅はOKですけど、店舗部分の床面積は50平方メートルまでです。
尚、幼稚園、小中高校、図書館、寺院・教会、診療所、保育所、老人ホーム等はOKです。
山形市であれば、富の中の南沼原小学校の周辺、東青田、小立、平清水といった滝山小学校近辺、みはらしの丘の住宅地、西田の西小学校周辺、和合町の東北中央病院の東側、嶋地区の住宅地といったあたりが該当します。


・第二種低層住居専用地域
主として低層住宅の良好な住環境を守るための地域。第一種低層住居専用地域に建てられるものは全て建築可能ですが、第一種低層住居専用地域よりは少し緩和されて、150平方メートルまでの小規模な店舗は建てられます。
山形市であれば、陣場南、江南、大野目の他、日大山形高校や南小学校の周辺あたりが該当します。


・田園住居地域
農地や農業関連施設などと調和した低層住宅の良好な住環境を守るための地域。基本的には第二種低層住居専用地域とほぼ同じ。ただし、田園住居地域及びその周辺の地域で生産された農産物の販売又はそれを材料にした料理の提供を主たる目的とする店舗は500平方メートル以内と緩和されています。

山形市ではこの用途地域に指定されている所は聞いたことがありません。


・第一種中高層住居専用地域
中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。第二種低層住居専用地域に建てられるものは全て建築可能ですが、第二種低層住居専用地域より緩和されて、建てられる店舗や事務所の規模も500平方メートルまでと大きくなる他、大学、病院も建てられるようになります。また、3階建て以上のアパートやマンションもこの用途地域になると建てられるようになります。
山形市にこの用途地域の所は少なく、双月町の一部、松山の山形警察署周辺、成沢西の東海大山形高校周辺、飯田や上桜田の東北芸術工科大学周辺あたり該当します。

 


・第二種中高層住居専用地域
主として中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。第一種中高層住居専用地域に建てられるものは全て建築可能ですが、第一種中高層住居専用地域より緩和されて、建てられる店舗や事務所の規模も1,500平方メートルまでと大きくなるため、小規模なスーパーマーケット等が建てられるようになります。

山形市であれば、緑町や小白川町、東原町、南原町、深町といったあたりが該当します。


・第一種住居地域
住居の良好な住環境を守るための地域。第二種中高層住居専用地域に建てられるものは全て建築可能ですが、第二種中高層住居専用地域よりもさらに緩和されて、建てられる店舗や事務所の規模も3,000平方メートルまでと大きくなり、ホテルや旅館、スポーツ施設(スケート場やプール等)、ボウリング場が建てられるようになります他、自動車教習所も一定規模までなら建てられるようになります。

山形市であれば、鉄砲町や美畑町、和合町、下条町をはじめこの用途地域の住宅地は多くあります。


・第二種住居地域
主として住居の良好な住環境を守るための地域。第一種住居地域に建てられるものは全て建築可能ですが、第一種住居地域よりもさらに緩和されて、建てられる店舗や事務所の規模も10,000平方メートルまでと大きくなり、パチンコ屋やカラオケボックス、麻雀店等も建てられるようになります。自動車教習所の規模の制限がなくなります。
山形市であれば、あこや町の一部、山形大附属幼稚園・小学校・中学校の周囲ぐらいしかありません。


・準住居地域
道路の沿道等において、自動車関連施設などと、住居が調和した環境を保護するための地域。第二種住居地域に建てられるものは全て建築可能ですが、第二種住居地域よりもさらに緩和されて、客室面積が200平方メートルまでの映画館・劇場も建てられるようになります。といっても、この用途地域は幹線道路の沿線ぐらいにしか設定されていませんけど、自動車のディーラーがあったりしますね。
山形市であれば、国道13号の両側と西バイパスの両側、南イオン周辺に見られます。


宅建や建築士の試験では、用途地域の定義の問題と、用途地域に応じて建てられる建物かどうかを問う問題が必ず出ますから、定義を覚えましょう…と言ってもいちいち面倒なのでこう覚えます。

・住居系の場合は、低層住宅だの中高層住宅だのという言葉が出てくるから簡単。田園住居地域なら農地、準住居なら道路の沿線という言葉が出てくる。
・「主として」という言葉がついたら「第二種」の事を言っている。

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